沖縄各地のサンゴ白化状況と水温の変化(7〜9月上旬)

 沖縄県は南北約400kmの海域に広がる島々から成り立っているため、地域によって水温の変化も様々で、白化の進行も違います。そこで、県内を大きく3つの海域、1)沖縄本島周辺、2)宮古島周辺、3)八重山諸島周辺に分けて白化の状況と水温の変化を整理しました。


1)沖縄本島周辺

サンゴの白化状況

沖縄本島周辺で9月21日までにサンゴの白化情報が寄せられた地点
この地図は許可を得て、国土交通省国土地理院発行の
数値地図200000を参考に作成した

 7月下旬から水深の浅いところのミドリイシ類などで群体の色が薄くなっているものが観察されはじめ、7月下旬〜8月上旬にかけて、水納島、国頭村、糸満市大度、慶良間・阿嘉島等の地域で、ミドリイシ類やハナヤサイサンゴ類、コモンサンゴ類などの白化が報告されています。しかし、この時期は完全に真っ白になったという情報はそれほど多くはなく、ほとんどは群体の一部が白化、あるいは全体に色が薄くなっている程度のものでした。8月下旬になると、名護市源河、東村平良では小型のミドリイシ群体がほぼ100%白化している様子が観察されるなど、場所によっては白化がかなり進行したところもありました。しかし、8月中〜下旬から水温が下降しはじめ、9月には一部、白化から回復するサンゴも観察され白化の進行は収束したと思われます。

水温の変化(グラフ1) 

沖縄本島南定期観測点における1997年〜2001年の水温の変化
(グラフ提供沖縄県水産試験場)

 沖縄島南では、5月まで低かった海水温が6月に入って急に上がり初め、7月上旬には水深30mくらいまで29℃を越えていました。さらに、7月中旬〜8月中旬までの約1ヶ月は、日平均水温が30℃を越えています。しかし、その後水温は下降傾向に転じ、沖縄島南では8月19日に29.2℃まで下がりました。

 慶良間諸島・阿嘉島でも、7月末〜8月上旬まで30℃を越える高水温が続いた後、徐々に下降して8月23日には28.4℃まで下がっています。その後、9月に入ると台風16号が接近し、久米島北東の計測で26.3℃にまで下がりました。


2)宮古島周辺

サンゴの白化状況

宮古島周辺で9月21日までにサンゴの白化情報が寄せられた地点
この地図は許可を得て、国土交通省国土地理院発行の
数値地図200000を参考に作成した

 八重干瀬では8月上旬、全体に色が薄くなっている群体が観察される程度で白化の兆候が見られる程度でした。この時期、宮古島沿岸では枝状ミドリイシやトゲサンゴの白化が観察されています。8月下旬でも宮古島上野村沿岸、平良市沿岸で部分的な白化が観察されているものの、大規模な白化は確認されておらず、9月下旬には白化の進行は収まりつつあると思われます。

水温の変化

 八重干瀬で1時間おきに計測されている水温データでは、6月末から30℃を超える水温が記録されはじめ、台風接近時に若干下がるものの、7月〜8月上旬までは日周変動の少ない30℃前後の水温が続きました。日平均では、7月中旬に30℃まで上昇した水温は、下旬に少し下がるものの、再び上昇して30℃に達し、8月12日には30.4度を記録しています。(注:8月中旬以降の水温データ未入手のため、その後の変化は未確認)


3)八重山諸島

サンゴの白化状況

八重山諸島で9月21日までにサンゴの白化情報が寄せられた地点
この地図は許可を得て、国土交通省国土地理院発行の
数値地図200000を参考に作成した

 7月上〜中旬から色が薄くなったり部分的に白化しているサンゴが黒島周辺、石垣島沿岸で観察されはじめ、7月末から8月中旬にかけては、石垣島周辺や黒島、小浜島、西表島など石西礁湖内の各地で色が薄くなったミドリイシ類やトゲサンゴ、ショウガサンゴ、真っ白になったミドリイシの小型の群体なども目立つようになってきました。8月中旬に色が薄くなっている程度の白化サンゴの割合が10〜20%程度であったところも、8月末には場所により、60%以上になっているところもありました。水深2〜5mのところのミドリイシ類で70〜80%、ハマサンゴでは20〜30%が、色が薄くなる〜真っ白く白化しているのが観察されています。また石西礁湖内でも8月中旬から下旬にかけて、白化の範囲が広がり、死亡して藻類が付着したトゲサンゴの群体が観察され始めました。しかし、9月にはいると台風16号やその後の低気圧のため、石西礁湖、石垣周辺の水温が低下し、白化の進行は収束したと思われます。ただ、河口付近では、台風による大雨の影響で、塩分の急激な低下や赤土の流出などの懸念もあり、今後の監視が必要です。

水温の変化

 石垣島沿岸では轟川北部の礁池内で、日平均水温が6月末に30℃に達します。その後も上昇は続き、7月上旬には30℃前後、中旬には31℃にまで達しました。7月末にはいったん29℃近くに下降しましたが、8月に入って再び上昇傾向を見せながら30℃以上の日が続きました。

 一方、石西礁湖内黒島北の離礁(ウラビシ)で測定された水温データでは、7月初めに日平均が30℃を越え、中旬まで30℃前後の日が続いています。その後、7月下旬から8月初めにかけて30℃を切るものの、再び上昇して8月上旬に30℃を越え、8月末には31℃に達しました。

しかし、9月に入り台風が接近すると、石垣島沿岸、石西礁湖内とも水温は急速に下降し28〜29℃台になっています。

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